「結婚相手ってどこに落ちてるの?」発売記念
花津ハナヨ×ワキサカコウジ 対談
結婚するまでの恋愛迷走期を赤裸々に綴ったコミックエッセイ「結婚相手ってどこに落ちてるの?」。コミックスの発売を記念して、2015年12月にイベントが開催されました。イベントでは、著者の花津ハナヨ先生と、イラストレーターのワキサカコウジ先生による対談や、花津先生が実際にプロポーズをされた瞬間を撮った貴重な映像が上映されました。 プライベートで仲の良いお二人だからこそ作れる和やかな雰囲気の中、コミックスには描かれなかったエピソードの裏話がたくさん飛び出しました! 残念ながら、プロポーズの映像はこちらに掲載できませんが、お二人の楽しい対談の様子をたっぷりお届け致します!
花津ハナヨ・・・花
ワキサカコウジ・・・ワ
ワ:「結婚相手ってどこに落ちてるの?」の発売記念イベントということで、僕も本を読ませていただきました。中でもやっぱり一番気になったところは、不倫をされていたという部分でした。
花:最初にその話をしますか!?
ワ:気になった順で聞くことにしています。
花:描くかどうしようか迷ったのですが、そのことがあって懲りたから結婚できたと思ったので、描くことにしました。
ワ:不倫をしてしまったというのは、20代の頃モテなかったことでの、反動もあったのでしょうか?
花:あるかもしれませんね。
ワ:どんな学生時代でしたか?
花:美大に通っていて、変わった格好をするのが普通だと思っていました。
ワ:僕も美大出身で花津さんとほぼ同世代なのでよく分かります。どんな格好をされていましたか?
花:実は今日、写真の用意があるので見てみましょうか。
ワ:え(笑)!?
花:これは中学生の時の写真で、真ん中が私です。漫画の投稿をしていてアニメが大好きだった15歳の頃です。本当に地味です。
ワ:15歳で貫録がありますね。
花:体が大きいですよね。修学旅行の写真です。
ワ:他にも写真はありますか?
花:20歳の頃の写真があります。
花:とにかく柄の服を着ることと、変な形の眼鏡を掛けることが、かっこいいと思っていた時期です。
ワ:個性が渋滞してますね。
花:もう一枚写真があります。
ワ:おおー(笑)!!
花:この時着ていた服は、ゴミ箱の三角コーナーに張る網目のような素材で出来ています。
ワ:え(笑)!? ちょっと言ってることが分からないです。
花:コム●ギャルソンの服なんですが、袖のメッシュになっているところが、三角コーナーに張るゴミ袋の素材みたいなので出来てるんですよ。
ワ:すごいものを買わされましたね。
花:ちなみにこの写真は新人漫画賞を取った時の写真です。これはモテなさそうでしょう?
ワ:なかなかモテなさそうな髪型をされてますね。この頃、個性をこじらせていたんですか?
花:そうですね。男っ気も全然なかったです。
ワ:一方その頃、僕も美大に行っていたので、写真を見てみましょうか。この頃ね、結構モテました。まだ未来のある顔をしていますね。
花:何これ~!一番いい写真を持ってきたんですか?
ワ:そうなんです。今日のイベントは女性が多いと聞いて。
花:まだ独身ですもんね。
ワ:はい。でも僕も変な服を着ていることがかっこいいと思っていて、ホテルマンの制服で学校に行っていました。中古で買ったんですけれども。
花:え!?
ワ:母親に「ドアボーイ」って呼ばれていました(笑)。黒歴史ですね。それで、話しを戻しますけど、先程の写真の頃は彼氏がいなかったんですね。
花:そうですね。23歳で処女を喪失するまでは何もないですね。
ワ:急に話題が重たいですね。処女喪失のお相手はどんな方だったんですか。
花:全然好きな人ではありませんでした。好きじゃなかったのに処女を喪失してしまいました。
ワ:じゃあ最初に好きになったのが、この漫画の最初に出てくる人だったということですか?
花:そうですね。この人には、すぐにフラれてしまったのですが、10年くらい片想いをしていました。
ワ:その10年間は、その人の面影を追って、「ヒゲ・ボーズ・眼鏡」の人がタイプだと言っていたんですよね。実は花津先生と初めてお会いしたのが合コンだったんですが。
花:あれはもう何年前ですかね。
ワ:僕は合コンだと知らずに、週刊文春でイラストを描かせていただいている中村うさぎさんとの飲み会があるから来てくださいと編集者に言われて、行ってみたら、僕も含めて「ヒゲ・ボーズ・眼鏡」の男が何人もいて。ユニクロが被ったみたいな感じで気まずかったです。
花:中村うさぎさんが私のために開いてくださった合コンでした。当時既に、今の旦那さんとつき合っていたので、私自身にそんな気はなかったのですが。
ワ:あの時が初対面でしたが、花津さんは、見た目は地方の女子アナっぽい感じなのに、ずっと下ネタを喋っていて相当インパクトがありました。
花:どんな話をしてましたっけ?全然覚えてないですね。
ワ:ガスの工事が来るので、部屋にあったバイブを台所に隠したら、そこを開けられてしまったという話しをしてました。
花:そんなんじゃモテるわけがないですよね。
ワ:性欲が強いんです、という話しもされていました。
花:性欲が強いからといってセックスをたくさんしていた、という訳ではないんですが、このムラムラで電気が起こせるんじゃないかと思うくらいでした。
ワ:この本の中で気になったところがあって10年片想いしていた男性に、「ときどきセックスさせてね」って言われるシーンがありますよね。
ワ:このシーンは一番男のエゴが表れていると思いました。こういう奴いるなと思って。
花:そうなんですか?言ったことあります?
ワ:思っても言えないタイプですね。超イケメンでもない限り無理でしょう。それからもう一人、この本の中に出てくる男性といえば、既婚者でありながら何人もの彼女がいるという、このおじさんですよね。
花:当時、私の中では坂本龍一さんに見えていました。
ワ:この人は花津さんにとって、良いことを色々言ってくれていますよね?30歳の頃自分に自信がなかったという花津さんに「私はあなたのことをブスだと思ったことはないよ」とか「美人を趣味にしたらよいですよ」と言ってますね。
花:これは言ってもらって良かったですね。当時は、皆が綺麗じゃないといけないと思い込んでいたんですが、このままでも別にいいのかと思うことができました。でも今冷静に振り返ってみると、私のことを何とも思ってないから言えたんだな、とも思います。
ワ:これは僕も共感できる台詞でした。でも、この方が後に、とんでもないことを言うんですよね。セックスの最中に突然、「セクシーに踊れ」と。
ワ:今日は、その踊りを見せていただけるんですよね?
花:踊りませんよ(笑)。そう言われた時は、すぐに踊らないと彼がしらけてしまうと思ったんですけど、頭が昭和なので、昭和っぽい音楽しか浮かんでこなくてどうしたらいいのか分かりませんでした。
ワ:それから僕が花津さんの作品の中でもダントツで好きになったシーンが、セックスの最中に「獣のように喘げ」って言われるシーンでした。日常生活でもたまに思い出します。
花:「わおーん」って言ったのかな。中村うさぎさんにこの話をしたら「『パオーン』とか『ガオー』とかが良かったんじゃないの?」と言われました。
ワ:世界で一番くだらない会話ですね。褒めてみたり、突然こんなことを言ってみたり、精神的に支配しようとする感じがしますよね。実は僕、DV被害者の方のお話しが結構好きでよく聞くのですが。
花:そうなんですか?
ワ:すると大体皆同じことを言っているんですよ。殴った後に「お前のために殴ってるんだぞ、ごめんな」って言って抱きしめるらしいです。上げたり下げたりする感じが、それに近いなと思いました。
花:そうだと思います。
ワ:この精神的DVから抜け出せたのはどうしてですか?
花:懲りたからです。ホテルに呼び出されて、することだけしたら帰るという日が続いた時に、「何をしているんだろう」という気持ちになって。
ワ:好きな人の一番になれないと分かってあきらめる、という人の話しはよく聞きますが、そういうことではなかったんですか?
花:他に何人も彼女がいると聞いていたので、それは分かっていたのですが、人として扱われてないと感じたので、限界がきて、もうやめようと思いました。
ワ:大事にされないことにはどんな理由があったと当時思っていましたか?
花:全然分からないんですが、ワキサカさんは最初にセックスしたらダメだと言っていましたよね。
ワ:男同士では「初対面とか、最初のデートでセックスした相手とつき合うことは絶対にナシ」という会話によくなります。
花:へ~。
ワ:その男同士の会話を録音してもっと前に聞かせてあげれば良かったと思いますね。
花:そうして欲しかったです。すぐにしてしまうより、じらした方が良いってことですよね?
ワ:じらす時間が長すぎるのも微妙ですけど、適度に給水所を設けて。
花:給水所(笑)。
ワ:で、これは今日のキーワードだと思うんですけど、その人が好きだから2番目でも仕方ないと甘んじるのはよくないということですね。
花:(会場を見渡して)頷いている人がいますね。
ワ:何かあるんでしょうか。是非今日はその言葉だけでも持ち帰っていただけると嬉しいですね。花津さんからも一言どうぞ。
花:一回目にやったらアカン。
ワ:そろそろ旦那さんとの出会いについて話を移そうと思うんですが、出会いは合コンだったんですよね。
花:その頃にはもう、「私の好きな人は合コンに来ないタイプ」だと分かっていたので、本当にやる気がありませんでした。
ワ:この合コンにはパイロットの方もいたと本にも描かれていますが、実はその方に、僕もお会いしたことがあります。すごく爽やかで素敵な方でした。あの方ではなくて、突然不思議な格好で現れた旦那さんを選んだ理由は何だったんですか?
花:初対面の時に、血糊をつけてベッカムって書かれたTシャツを着てきた時点で、絶対に話しが合わなそうだと思いました。最初の印象が悪すぎたんですよね。最初がマイナスだったので、その後は印象が良くなる一方だったんだと思います。
ワ:初めてのデートはゴルフデートだったんですよね。本当に純粋にゴルフを習いたいと思っていたんですか?
花:家の前がゴルフ場だったので、習いたいと思っていました。その時は旦那さんのことは全くタイプじゃなかったんですが、習っているうちに意外と良い人だなって思うようになりました。
ワ:最初に好きだなって思ったのはいつですか?
花:わからないですね。ちょっとずつ好きになっていったと思うのですが、その感情が恋愛なのかムラムラなのかがずっとわからなくて。
ワ:そして、足を乗せてつき合うことになったと。
ワ:先日、今日のイベントの打ち合わせを花津さんとしていたのですが、その帰り際、急に花津さんが「あ!今日足乗せ記念日だ」って言ったんですよ。そんな記念日あります?
花:それがきっかけでつき合い始めたので、何か覚えていたんですよね。
ワ:あの急に足を乗せるシーン、すごく怖いですよね(笑)。しかも乳首も触ったんですよね?よく結婚できましたね。
花:あの後、「つき合おう」って言われました。
ワ: 婚活は他にされていたんですか?
花:合コン以外は特にしてなかったですね。
ワ:恋愛がうまくいかない、結婚も考えていなかったのに、結婚ができたのには何か理由があったと思いますか?
花:このままの自分でいいと思えたことかもしれないですね。コンプレックスの塊だったので、自分をなんとかしなきゃと思い続けていたんですが、ある時、「もうこれでいいわ」と思えたんです。自分はすごい人でもないし、すごく普通の人なんだって気が付いたんですよ。
ワ:僕も本当はすごく標準的であることが分かっているのに、クリエイターであるという肩書のせいで、普通とは違うことをしていなきゃと思う部分があります。それで、ホテルマンの生活をしていたわけなんですけど(笑)。花津さんもさっきの写真みたいな、本当はあんなヘルメットみたいな髪型にしたくなかったんですよね?
花:いやあの当時はすごく良いと思ってました。
ワ:でも特別な自分じゃないといけないという思い込みがなくなっていったら、意外と近くにいた結婚相手を見つけられたといことですね?
花:そうですね。
ワ:今までタイプじゃないと思っていた人も受け入れることができた、ということでしょうか。
花:自分のタイプはこうだと決めつけていたけど、違うタイプの方が自分に合っていたということかもしれないですね。
ワ:それでは最後に質問タイムということで、今日いらっしゃっている方の中で、花津さんに何か質問したいことがある人はいらっしゃりますか?
お客さんからの質問1:結婚して良かったですか?
花:すごく良かったです。人生設計がとてもしやすくなりました。フリーランスなので、独身の時は好きな時間に起きて、好きな時間に仕事して、不規則な生活をしていたのですが、今は、娘が保育園に行っている間に絶対仕事をしなくてはいけないですし、マンションを買うために貯金をするようにもなりましたし、生活に区切りができるようになりました。フリーランスの生活って区切りがないですよね?
ワ:そうですね。
花:締切くらいしか区切りがなかったので、生活のリズムができて良かったです。それくらいですかね。
ワ:それくらいなんですか(笑)?
お客さんからの質問2:花津さんの赤裸々なコミックエッセイが大好きなんですが、結婚をされた今後も描かれる予定はありますか?
花:過去のことなら描くかもしれないけれど、この先もし自分が不倫したりしたとしても、いや、しませんけど、さすがにそれを漫画に描くことは難しいかもしれないですね。
ワ:でもこういう声もあることですし、一度離婚していただいて…。
花:いえ、離婚はしません(笑)!そういえば、昔、彼氏ができたら漫画がつまらなくなるから絶対つくっちゃだめだって言われて、悩んでいた時期もありました。
ワ:結婚をされた今、どうですか?
花:まだ分からないですけど、今の生活が楽しいことは確かです。
ワ:じゃあ離婚してまで漫画は描かないということですね。
花:でも旦那さんに浮気されたら描くかもしれないですね。
ワ:公園デビューの話とか、ママ友の確執の話とかがあったら、僕はすごく読みたいですね。
花:何か機会があったら描こうと思います。
お客さんからの質問3:結婚式のサプライズプロポーズを今日映像で観ることができて、感動しました。結婚されてからも旦那さんからサプライズってありますか?また、花津さんからサプライズをされたことはありますか?
花:結婚して、旦那さんからのサプライズはなくなりました。今はお互いが子供に手いっぱいで難しいですね。つき合っていた頃、誕生日とかに相手に行き先を秘密にして、どこかに連れてくというサプライズをよくしていたのですが、私からのサプライズは失敗だらけでした。アナゴが好きだと聞いたので、船に乗ってアナゴを釣って食べようとしたら、船酔いで何も食べれなくなってしまったり、計画性がなくて乗り物の時間に間に合わなかったり。
ワ:単行本の中で、旦那さんがドレスを予約して、花津さんをドレスアップしてからレストランに連れていく、というサプライズをされていましたね。
花:気持ちはすごく嬉しかったんですけど、本当に恥ずかしかったです。引きずるようなドレスを着て恵比寿の駅前を歩いたんですよ。そんな人見かけたことありますか?
ワ:今のところはないですね。僕も同じようなサプライズをしたことをあるんですけど、夕焼けが見えるいいホテルのレストランを予約して、彼女の誕生日にサプライズで連れて行ったら「こんな格好で来るところじゃない」ってすごく怒られました。あの時、初めて女心というものを知りましたね。旦那さんはドレスを用意していたと描かれていたので、デート力が高いなって思いました。
ワ:色んなお話しをしてきましたが、そろそろ終わりの時間が近づいてきました。「結婚相手ってどこに落ちているの?」発売記念イベントこの辺で終了とさせていただきます。
花:本日はありがとうございました!!
会場にお越しいただいた方には、花津ハナヨ先生手作りのクッキーも配られました!花津先生、ワキサカ先生楽しい時間をありがとうございました!そしてご来場くださった読者の皆様、ありがとうございました!!















